新鮮な手法でハリウッド映画、映画界を紹介している本です。
なかでも、映画に関わるスタッフの職業案内の章では、役者、監督、カメラマンなど中心的存在以外にほとんど知られていない多種多才な職種とその内容を紹介。ハリウッド映画を目指す人にとって、
役者、監督、カメラマンだけでなく、自分に合った職種をみつけることに役立ちます。
私自身、ハリウッド映画の仕事をした時の驚きはシステム化された分業の仕事でした。日本では考えられないような、「ハリウッド」だからありえる仕事もあります。例えば、この本でも紹介されているクラフトサービス。撮影時に食事を提供するケータリングとは違って、スナックや飲み物を1日中提供する人です。夕方、丁度疲れてきた頃に、カプチーノやサンドイッチ、手作りクッキーなどを運び、撮影現場での疲れを癒してくれます。一流のクラフトサービスの人達の絶妙な気配り、提供するスナックのセンスと質、プレゼンテーションなどは素晴らしいものです。気遣いと繊細で優れた食文化の日本人が入り込めるポジションではないかと、いつも思っています。
この本のなかで一番よかったのは、最後の章の「監督への道のり」。 実際、準備から撮影、配給までの過程をここまで詳しく書かれている本はないと思います。
映画監督、映画製作を目指す人達に是非とも読んでもらいたいです。日本人でハリウッド映画を製作、監督し、配給まで達成した監督のエネルギーと労力ははかりしれないものです。