2014年12月28日日曜日

第一章「好きなもの」- 考えられる「好きなもの」すべてを書き出しましょう。

 第一章の「好きなもの」の質問に答えるプロセスを始めたら、これらのページの質問だけに終わらず、他にもある自分の好きなものについて考えてみましょう。

 先日、Facebookの友人の「Likes」を見ていて、え〜、この人はこういうものが好きなのだと発見。Facebookの「Likes」から、友達を知らなかった一面を知るように、自分のたくさんの「Likes - 好きなもの」から自分の再発見に役立て下さい。

 ALL ABOUT "ME" BOOKの「好きなもの」のページの質問に答えるプロセスのなかで、思いついた他の「好きなもの」は、自由に余白欄に書き込んで下さい。何年か後にこの本を見直す時に、もしかしたら、忘れていた好きなものに目が触れて、忘れていた自分を思い出すきっかけになるでしょう。この本をそういうふうにも使ってほしいと思います。

 私の「好きなもの」のひとつは、やや肌寒いロサンゼルスのクリスマスの朝です。通勤通学の車はなく、し〜んと静かなロサンゼルスの街。雲ひとつない青空。冷たい空気感。キラキラした太陽の光。あるテレビ番組の主人公が、「クリスマスの朝は、不可能なことは何もないという思いになれる。」と、この一言がすべてを語ってくれているようです。


2014年12月22日月曜日

ALL ABOUT "ME" BOOK 第一章 学生時代の自分と友達について。

 ALL ABOUT "ME" BOOK の第一章で、自分の今までの学校歴を書き出すページがあります。このページで、各学年の自分のこと、その時の友達とその友達と過ごした時を思い出してほしいのです。

 中学校時代の私は、読書好きの少女でした。中学2年生の頃に、詩を交換し合っていた友人がいました。彼女とは違う高校に進んだため、それ以降は疎遠になってしまいました。

 日本の実家のクロゼットの奥から、彼女との詩の交換ノートがまだ残っていました。中学2年生の自分が書いた詩を今読むと、青春の香りがする、はにかむ内容でした。互いに詩を書き、コメントし合う一冊のノート。詩と通しての楽しい連帯感を思い出しました。詩のノートから青春を再体験をして、繊細な夢見る乙女だった自分発見。そういう自分もあったのだと、懐かしい思いでした。

 今は、Facebookなどで、旧友を探すことが可能になりました。その友人を探すかどうかは別にして、心に残っている子供の頃の友人もその友人との過ごした時間、体験は、今の自分形成の一部分なのだと思います。昔の友達を思い出すこの時間をエンジョイして、自分の再発見に役立ててほしいです。 

2014年12月16日火曜日

ALL ABOUT "ME" BOOKを始めた方からの感想について

 先日ある方から、All About "Me" Bookに取り組み始めた感想を受け取りました。

 「悩みが多く、現実が見えない ので、この本を紹介してもらったこと。自分のことを書くのに、スムーズに書けないことが多々あること、人生設計が全くなかったと自覚したことなど。今まで思っていたことが本当にやりたいことかどうかを、この本を終わらせるまでに考えたい。」と、書かれていました。この感想を読みとても嬉しい思いでした。

 悩むということは、何かをしたいという意欲があることの証拠です。現実が見えないということは、本当の自分のことをよく理解していないのでは?それなら、自分を知るために、この本のなかの「自分発見」のページがきっと役に立つでしょう。そして、誰が何と言おうと自分を大切に思えるようになることができれば、現実(というのは、現実と自分との関係だと思います)が少しずつ見え始めるのではないでしょうか?

 人生設計について。私もハリウッドのワークショップで学ぶまでは、漠然としか考えていなかったことでした。学校を卒業したら、就職して、結婚して、子育てして、、、と、世間一般のマニュアルに則るものだと思っていました。しかし、人生は世間一般のマニュアル通りには進みません。自分用のマニュアル=人生設計です。また、それら以外に自分が何かをしたいと思った時、計画があった方が限られた時間のなかで実現できる可能性がより高くなります。
 
 やりたいと思っていたことが本当にやりたいことかどうか、それも本当の自分が分かれば見えてくるはずです。家族や世間的を考慮して自分がこうした方がいいと、思っていることを自分のやりたいことに考え違いしていませんか?自分のことが分かり、自分を大切に思うことができると、本当にやりたいことに素直に目が向くと思います。

 ALL ABOUT "ME" BOOKに向かっている彼女のことを考えながら色々と思った日でした。

2014年12月9日火曜日

ハリウッドの一番忙しい季節

 12月になるとハリウッド映画界は超忙しいシーズンを迎えます。忙しいというのは、撮影ではなく、クリスマスプレゼントで大忙しなのです。
 
 エグゼクティブ·プロデューサーのアシスタント達は、プレゼントを送る人達のリスト(俳優のエージェント、映画会社のエクゼクティブなど)を作り、プレゼントを用意し、それらを届ける手配まで、間違いは許されません。

 映画の撮影に関わっている会社(カメラ、照明などの機材会社、ケータリング会社、オフィス家具や機具のレンタル会社など)からは、製作オフィスにクリスマスプレゼントが次々と届きます。

 製作オフィスからは、その映画に出演している俳優やスタッフに。そして、クリスマスパーティーの準備も始めなければいけません。この時期、クリスマス関係の作業だけをする人を決めて準備に専念する程です。

 何故、これまでクリスマスに熱心なのか?それは、この機会にこの映画のために一生懸命仕事をしている人達への感謝の気持ちを表すためです。

 ロバート·ゼメキス監督のチームにいた時のエグゼクティブ·プロデューサーは特別でした。彼からのクリスマスプレゼントと共に受け取るクリスマスカードには、彼の自筆で毎年パーソナルなメッセージが添えられていました。ハリウッドのエグゼクティブ·  プロデューサーは、我々スタッフより寝る時間もない忙しい人です。その人が、わざわざ時間をかけて、彼のもとで働いているスタッフの一人一人に感謝のメッセージを書くという心使いに、毎年感謝と尊敬の気持ちでした。その彼と一緒に仕事ができるのはラッキーだと思っていました。

 どんな高価なモノも、本当に心のこもった言葉にはかないません。この機会にお世話になった方々、感謝の気持ちを伝えたい方々に自筆のカード、お手紙を送ってみてはどうでしょうか?あなた自身の言葉とあなた自身が書いた文字だから、あなたの気持ちがより相手に伝わると思います。


2014年12月4日木曜日

自分の時間と計画

 ブログを更新できなかったこの二ヶ月。私のワークショップなどで、計画をたてないと時間はアッという間に過ぎてしまいます。と伝えている自分自身が、そのことを実感した二ヶ月でした。

 移動の多い二ヶ月で、肉体的にも疲れていることが多かったこともありますが、その以前に作っていた計画が崩れ、それを立て直すことをしなかったため、増々生産性に欠ける毎日となりました。仕事、用事などはこなせますが、自分のために費やす時間に影響しました。

 今日改めて、2014年残り一ヶ月の綿密な計画を立ててみました。特に、今月は色々なイベントなどもある月です。どのくらい自分のために使える時間があるか?忙しくて、時間がないと思っていたにも関わらず、計画をたててみると、”自分の決心次第で” 案外自分の時間は捻出できるということが見えてきました。

 すべては自分の意思、決心です。やろうと思えばできる。まあいいや、と思えばできない。すべては自分の選択です。

2014年9月23日火曜日

ハリウッド映画製作に欠かせない「思いやり」と「信頼」

  映画製作は、俳優、スタッフがひとつになって、より良い映画を創ることを目標としてそれぞれのベストを尽くし撮影に取り組みます。ハリウッド映画の製作に関わっていて、互いの「信頼」と相手への「思いやり」が成功の鍵だと感じます。

 製作サイドから俳優達への思いやり。俳優が気持ちよく役作りができる環境を作ります。撮影初日には、俳優達のトレーラー(控え室)には、Welcome Basketと呼ばれる、色々なスナックや飲み物が入ったバスケットが運ばれます。そのバスケットは、映画の内容に応じた演出が凝らされて、彼らのトレーラを華やかにし、待ち時間に退屈しないようにとの心使いを感じます。そのお返しに、撮影の終了後、スタッフへ「お疲れさま」ギフトを渡す俳優達も多くいます。映画のロゴ入りのトレーナーやバックパック、その俳優のトレードマークと同じ帽子、映画の台詞が刻まれたワイン、iPodなど。俳優達も趣向を凝らして彼らの思いやりが感じられます。

 映画撮影前に監督は、それぞれの部署のヘッド(部長)と綿密に撮影内容、監督の考え、ビジョンを話し合います。撮影部、美術部、照明部、衣裳部、メイク、ヘアー部、特殊効果部等など。それぞれの部署のヘッドは、監督のビジョンを映像にするために経験と知恵を出します。監督は、自分の意見を伝えた後は、余程のことがない限り、それぞれの部署のヘッドに任せてしまいます。彼らのクリエイティブな才能、経験への信頼です。

 スタッフの食事を作るシェフのスタッフへの思いやり。数ヶ月に及ぶ撮影が続く我々スタッフの食事を作るシェフ。この長い期間一日足りとも同じメニューはありません。また、食事と食事の間、少しお腹がすきそうな時間にスタジオ内へ「つなぎ食」と呼ばれるものが運ばれてきます。多種のスープ、サンドイッチ、フィンガーフードと呼ばれる指でつまめる食べ物、メキシコ料理のタコスや、時には寿司など。撮影現場の緊張のなか、より良いシーンを撮れるようにベストを尽くしているスタッフへの思いやりです。

 映画製作の上層部であるプロデューサーからスタッフへの思いやり。プロデューサーが何かを頼んだ時は、必ず "Thank you"。相手が、経験の浅いアシスタント、ドライバーの人、掃除の人も含めて、感謝の言葉を伝えます。もちろん仕事ですから、やることをやって当然ですが、そこに"Thank you"の一言があれば、頑張りがいがありますし、もっと頑張ろうという気持ちがでてきます。

 ベストを尽くして働いている者の間で信頼関係が築かれ、その信頼関係から自然とお互いを思いやる気持ちはでてきます。そして、どれもこれもが相乗効果を表して、より良い映画が完成されるのだと思いました。

 

2014年9月10日水曜日

自分発見:感情の分析から奥にある自分の意識を知ること。それが夢を叶えるひとつのステップ

 感情は、何気なくあらわれるように思えます。しかし、実は、自分が意識し信じていることから生まれてくるのが感情です。自分の感情に気に留めて、その奥にある自分の意識を見極めることも自分発見のひとつです。

 特に、ネガティブな感情(怖い、淋しい、悲しい、嫌な気持ち、落ち込む、など)をより深く見つめてみると、実は表面の感情とは違う自分の意識を発見することができます。その本質を発見し認識することによって、解決策を考え問題解決できます。多くの場合、ネガティブな感情は、夢を叶える過程においての障害物の何者でもないのです。

 例えば、やりたかった仕事の面接の日が決まりました。その知らせを聞いた時点で、あなたは、うまく答えられるか?面接に受かるか?など、「不安」を覚えたとします。特に、この仕事は絶対に手に入れたいと思う場合、「不安」の度合いはエスカレートします。

 まだ、面接は始まっていないのに、このような感情が生まれる多くは、過去に面接に失敗し、結果受からなかったなどの辛い経験から、面接が苦手だという意識を持ってしまっています。

 苦手という「意識」から「不安」という感情が生まれ、その感情が「態度」に現れます。不安げな表情、態度は、面接官に自信のない印象を与えてしまい、不採用という「結果」になる可能性は高いでしょう。不採用となった場合、その「結果」だけが残り、増々面接が苦手な自分を決定づけてしまいます。ましてや、自分にとって是非ともやりたかった仕事の面接ですので、何の対策も取らなければ、やりたい仕事を手にいれることは難しくなります。

 解決方法は、ネガティブな感情が現れた時は、意識的にその感情を変えることです。

 感情の奥には、自分の意識があると分かりました。過去に起こったことは変えることはできません。過去の失敗を何度も思っていても自分のためにはなりません。

 自分の感情をコントロールできるのは自分だけです。面接の日が決まり、自分ができる最善の準備を整えた後は「大丈夫、面接はうまくいく!」と自分自身に言い聞かせます。

 実際のところ、不安、心配と思う感情が現れてくるでしょう。自分で言い聞かせてもその言葉を信じない自分がいることでしょう。でも、何度も何度も自分に言い聞かせることを続けて下さい。私の場合、言い聞かせながら、ネガティブな思いを抱いている自分を打ち消そうとする別の自分を頭のなかでイメージしました。すこしずつ、受けいられる自分がいました。

 ネガティブな感情の奥にある意識を分析することによって、本当の自分を発見。そこから解決法を見いだして、アクションを起こし、夢を叶える道の一歩を踏み出して下さい。

2014年9月1日月曜日

夢を叶えるのに大切なことは?

 夢を叶えることにおいて大切なことのひとつは、自分を信じることができるかどうかです。自分に対する自信を持っている人は自分を信じることができます。

 どこから、自分への自信が生まれてくるのでしょうか?そのひとつは、「自分がやりたいこと」ができた積み重ねです。この場合「自分のやりたいこと」は、自分のやりたい仕事を手に入れる、という様な大きな夢ではなく、もっと小さい「やりたいことの」積み重ねです。例えば、セーターを編み上げる。友達のために料理を作る。車の免許を取る。植えた種の花が咲く。ずっと行こうと思っていながら決心がつかなかった何かのクラスに参加する。など。自分の身近な多くのできたことを、「やったね!」自分自身に褒めてあげることで、自分の自信として根付いていくのではないでしょうか?

 あるTVの番組で、アメリカ人と日本人の女性に自分のどこが好き?という質問をしていました。アメリカ人はそれぞれの人が、「私の目」「私の長い髪」「スマイル」と、即座に答えました。しかし、日本人はほとんどの人が「え〜、そんな。。。」と消極的で、答えた人がごくわずかでした。自分への採点という質問の平均結果は、アメリカ人は95点、日本人は60点でした。しかし、どう客観的に見ても、日本人のグループの方がきれいな人が多かったのでした。自分の良さを知ることも自信に繋がります。
 
 まずは、少しずつ、小さい「やりたいこと」の達成から、大きな夢の実現へ向かって進んで下さい。

 

2014年8月14日木曜日

撮影エピソード:思いやりの人、トム・クルーズ

 映画「ラストサムライ」でプロダクション・スーパーバイザーとしての仕事を引き受けたときの一番のチャレンジは、ハリウッドのメインスタッフからの要望を日本の撮影でどのようにスムーズに実現するかでした。特に、ハリウッドにおける規定水準をどのようにクリアーできるか、また、クリアーにできない場合は、どのように対処するかなど、多くの項目に、松竹京都映画のプロデューサーや日本のスタッフと頭を悩ませながら撮影準備に励む毎日でした。

 半年に及ぶ撮影準備も無事に終え、姫路の圓教寺での撮影の初日を迎えました。拍手で迎えられたトム・クルーズ。エドワード・ズイック監督が、カメラマン、美術監督などメインのスタッフをトム・クルーズに紹介して、笑顔とともに握手を交わしていきます。そして、私の名前が呼ばれました。ズイック監督が、「プロダクション・スーパーバイザーのKyokoです。この撮影がスタートできるために、彼女が大変よく頑張ってくれました。」と紹介しました。トム・クルーズは、その言葉をうなずきながら聞き、手を差し出し、握手しながら「Thank you, Kyoko」と私の目をしっかり見て微笑みながら言いました。

 今まで、多くのハリウッドスターと握手し挨拶しましたが、私の名前を言った人は今だかつていませんでした。日本人の名前で、発音しにくい、覚えにくい、などの理由で名前まで言わなくて当然と思っていたので、初めてトム・クルーズがゆっくり正しく発音して”Kyoko”と名前を言ってくれたことに感動しました。

 日本でのトム・クルーズの移動手段は、ヘリコプターと車でした。どこで情報を得たのか、多くのファンがヘリポート近くへ通じる道に、彼を一目見たさに押し寄せました。多くのファンが集まっているのを見たトム・クルーズは、乗っていた車からわざわざ降りて、「集まってくれてありがとう」とファンにメッセージ。それで終わらず、仕切られているロープのところまで歩いていき、ロープの外にいるファンひとりひとりに握手をし始めました。ヘリコプターが待っているにも関わらずその時間は、30分以上に及びました。
 
 トム・クルーズの行動は、彼のファンを思いやる心からの証でした。それと同様、私の名前を正しく言ってくれたことも、彼の私という相手を思う気持ちの表れでした。スーパースターのトム・クルーズを人間としても尊敬できる出来事でした。

 
 

2014年8月3日日曜日

ALL ABOUT "ME" BOOKに取り組み、夢の「結婚」を手にしたキャリアウーマン

 優秀なキャリアウーマンの友人が、ALL ABOUT "ME" BOOKの出版後、すぐにこのワークブックを真剣に取り組みました。

 ALL ABOUT "ME" BOOKをやり終えた彼女は、自分の目標を「結婚」に絞ったと話してくれました。優秀で優しく、人が羨ましいと思う仕事をしている彼女でしたが、仕事優先の毎日のため、なかなか結婚まで長く付き合える彼が現われなかったようでした。結婚したいとふと思うと、忙しい毎日のなかにその気持ちが泡のように消え去り、暇になると結婚できたら、と思う。しかし、また仕事に没頭してしまう。その繰り返しだったということでした。

 ALL ABOUT "ME" BOOKに書き込んでいくことによって、彼女のなかで決心ができました。特にPart 3の目標と行動のページは、「結婚」という目標を達成するには、彼女にとって、どうするべきかをじっくり考える機会になりました。今までは、漠然と結婚したいと思いつつ、何の行動を起こさず、そのうちに素敵な男性が現れると思っていた彼女でしたが、それを「目標」とした時点で、彼女のなかの意識が高まりました。目標達成の日を一年以内と設定することによって、より積極的に行動するエネルギーになりました。

 しかし、彼女の行動の行程のなかでいいことばかりではなかったと言います。よさそうな人だと思い付き合っているうちに、ただ遊び相手を探している人だと分かったり、まるで詐欺のような目にも合いそうになったり、など。そのたびに落ち込み、こんなことをしていていいのかと思ったと言います。そういう気持ちになると、また、ALL ABOUT "ME" BOOKの自分の目標のページを見直して、きっといい人が現れるのだと、言い聞かせる彼女でした。

 そして、ついに、彼女は素敵な男性と出会い、結婚が決まりました。今日が彼女の結婚式です。ALL ABOUT "ME" BOOKが、一人の女性の夢を叶えるお役に立てたということを聞いて、心より嬉しく思いました。おめでとうございます。お幸せに!



 

 

 

2014年7月21日月曜日

アメリカインディアンとハリウッド

 毎夏、アメリカ全土で、パウワウ(Pow Wow)というアメリカインディアンの踊りの集会、祭りがあります。パウワウに参加するアメリカインディアン家族のドキュメンタリーを友人のディレクターと撮影したときの話です。

 何故、パウワウに参加するのか?という質問に、娘のカーメンは、パウワウは、アメリカインディアンである自分のルーツだからだ、と話してくれました。

 カーメンは、パウワウがない冬の間に、自分でデザインを考え、ビーズをひとつひとつ縫い付けて、次の夏のパウワウ用の衣裳を自分の手で作ります。自分が作りあげた衣裳を身につけて、インディアンのミュージシャン達が叩く力強いドラムと歌声に合わせて、自分の踊りを競います。

 カーメンの家族と一緒に生活しているうちに、アメリカインディアンである誇りと、インディアンの教えを守っている彼らの家族の強い絆を感じました。他人のことや他人の環境を羨ましいとは思わず、モノにとらわれないシンプルな生活をしている彼らでした。

 ハリウッド映画の撮影は贅沢です。以前、日本のCM撮影を仕事をしていた私は、ハリウッド映画の撮影に関わり、その贅沢さに驚きました。俳優に始まり、我々スタッフの待遇も日本では考えられないほど恵まれています。例えば、飛行機での移動に関して、フランス在住のジョニー・デップをハリウッドでのたった数時間のミーティングの為に、多額の費用を使ってプライベートジェットを雇います。ディレクター、カメラマンなどのメインスタッフの飛行機での移動はファーストクラスであること、とハリウッドの組合で決まっています。それらの金額を加算していくと、ハリウッド映画の予算が超巨額に膨れ上がるのがわかります。

 そのような環境での仕事に慣れていた私にとってカーメンの家族との出会いは目からうろこが取れるような気持ちでした。ハリウッド映画の豪華さは否定しません。こういう豪華な環境があるからこそ作れる数々の名作があります。そこの世界からはかけ離れたアメリカインディアンの人達のシンプルな生活。多くのモノはありませんが、精神的なリッチさは誰にも負けないでしょう。

 バッグが好きなカーメンは、私が持っていた日本製のバックを褒めてくれました。「そう日本のものなのね」、と、日本に行くことのない彼女はつぶやきました。別れる日の朝、ずっと大切にしていたこのバックを彼女にプレゼントしました。自分の好きなものを人にあげることなど今までできなかった私ですが、この日はなんの抵抗もなく、彼女に手渡す私がいました。カーメンの驚いた顔がとても嬉しそうな顔にかわっていきました。バックはまた買うことができますが、カーメンと彼女の家族と一緒に過ごした日々は、お金やモノに代えることはできません。そのお礼をしたいという心からの気持ちの表れでした。そういう気持ちをアメリカインディアンのカーメンの家族が無言で教えてくれたのでした。

 その年の冬に、カーメンから彼女の手製のドリームキャッチャーが届きました。そのドリームキャッチャーは、今も私のベッドの上の壁に掛かっていて、いい夢だけを届けてくれています。

 


 
 





 

 

2014年7月13日日曜日

ALL ABOUT "ME" BOOK  第一章 自分らしさー W杯敗退のインタビューから自己肯定のあり方にまで及んだ議論

 サッカーW杯敗退後に、選手達が言った「自分たちのサッカーができなかった」という言葉へ違和感を持つ人達が多くいて、その言葉から自己肯定のあり方まで議論されたと、ある日本のインターネットの記事で読みました。

 同インターネットの記事からの引用です。『ネットでは以前から「自分探し」「オンリーワン」といった言葉に懐疑的にみる意見が目立ち、「結局、暗示をかけて現実から逃げて、弱い自分をごまかしているだけ」といった声が上がっていた。一方、「ある程度自分を肯定しないと辛いだけ」とする反論もある。』

 両方の意見ともネガティブなのに驚きました。弱い自分でもいいじゃないですか!この世の中、そんなに強い人が多くいるとは思えませんが。。。弱い自分のなかの「自分らしい」良さを発見して、それを肯定するのがどうしていけないのでしょうか?

 また、あるタレントが「自分で自分らしさって言ってどうするんだ。」「自分でも自分らしさはわからない。」という発言に多くの人達が共感したということが書かれていました。

 人はとても複雑です。自分を完全に理解するなど到底不可能でしょう。自分らしさは、時、状況によっても変わってきます。何かの出来事に対して、えっ、こんな自分があったのか、と驚いたことはありませんか?

 ALL ABOUT "ME" BOOKの第一章で自分らしさを発見するページを作りました。そこには9つの質問があります。これだけでは、自分らしさを発見する氷山の一角にしかならないでしょう。でも、この機会に改めて自分のことを考え、自分のいいところ、そして、そうでもないところをみつめてほしいのです。両方とも自分なのですから。

 自分で自分を肯定しなくて、誰が肯定するのですか?「自分のことを褒めてあげたい」、とインタビュー時に言う日本人スポーツ選手がいますが、その通りです。他人が褒めてくれることを待っていてはいけません。自分で自分を応援し、褒めてあげ、自分が自分の一番のファンになって下さい。そのためにも、すこしでも自分らしさを知っていてほしいと思っています。








 
 

 

2014年7月8日火曜日

撮影のエピソード:マイケル・ジャクソンとの遭遇

  撮影の仕事をしていることで、よく知人からスターに会えていいね、と言われることがあります。TVやスクリーンを通してしか見ない彼らの素顔の一部をかいまみれることは、この仕事のプラスアルファーのちょっと楽しい特典と言えますね。

 マイケル・ジャクソンのCM撮影の時のエピソードをひとつ。アメリカでの撮影時には、スター用に特別な部屋やトレーラーが用意され、そのなかには、彼らができるだけ気持ちよく撮影に集中できるようにと、花が飾られ、彼らの好きな飲み物、スナックなどが準備されます。マイケル・ジャクソンの様な大スターのCM撮影の場合、撮影時間が限られているため、スターのメイク、衣裳が整い次第すぐ撮影ができる体制を整え、スターがスタジオ内に現れるのを今か今かと待ちます。
 
 このCMは、広大な砂丘で歌い踊っているマイケルが、砂漠の強風によって細々な砂となりTVの画面に吸い込まれていくというコンセプト。マイケルが到着して、メイクに入ったという連絡。スタジオ内の巨大な砂丘のセットの周りでは、カメラ、照明など最終調整にスタッフの緊張が走ります。しかし、メイクも衣裳も終わっているはずの時間になったにもかかわらず、マイケルは、いっこうに現れません。ヘアースタイリストが彼の髪を切っているので時間がかかるとの情報が入り、スタジオ内は今まで張りつめていた緊張が途切れた空気を感じました。

 巨大な砂丘のセットから離れた反対側にあるスタッフ用に用意されているスナックのテーブルの近くに立っていた私ですが、ふと気づいたら、衣裳を着たマイケル・ジャクソンがこちらに向いて歩いてくるではないですか!多くのスターは取り巻きの人達と一緒にスタジオに入ってきますが、彼は一人でひっそり現れたので、誰も彼が入ってきたことに気づきません。

 すーっと、私の近くを通るときに、マイケルは"Hello"と彼の”あの”ソフトな声でスマイルをしてくれました。マイケル・ジャクソンとの数秒の遭遇!思いがけないマイケルの“ハロー”に、呆然としている私を通りこし、マイケルは、スタッフ用のスナックの野菜スティックからにんじんを数本を手に取りました。マイケル・ジャクソンがにんじん?彼のために用意された部屋には、スタッフ用よりもっとおしゃれなスナックが用意されているのに。。。

 マイケルがそこにいると分かった助監督が慌てて飛んできて、彼を監督のところへ連れて行きました。監督と撮影前の打ち合わせ、その間も握っていたにんじんを食べながら、じっと監督の話を真剣に聞いていたマイケル。打ち合わせが終わり、さあ本番!砂丘のセットの上に立ちました。音楽が流れ出すと、か弱そうなマイケルがスター・マイケル・ジャクソンに変身したのです。近くでみている我々は、マイケルのパワーとエネルギーに鳥肌がたつくらいでした。完璧なパーフォーマンスで数回のテイクで撮影は終了。マイケルは、"Thank you, everyone" (皆さん、ありがとう)と、もとのソフトなマイケルに戻り、優しく手を振ってスタジオを後にしました。

 その後、色々なトラブルなどの末にこの世を去ってしまったマイケル・ジャクソン。多くのスターと撮影を通して会いましたが、カメラが回り始まった時の変身ぶりと、全身から解き放たれるパワー。やっぱり、マイケル・ジャクソンは、スーパースターでした。

2014年7月1日火曜日

映画「ラストサムライ」の仕事の後

 十年前、映画「ラストサムライ」で、プロダクション スーパーバイザーという大役を任され、一年以上に渡りこの映画の製作に取り組みました。ワーナーブラザーズ製作のメジャーなハリウッド映画の仕事で、ロサンゼルス在住の日本人である私が就くことができる最高のポジションかもしれないと仕事中も何度も感じていました。

 この以前からもハリウッド映画の仕事には携わっていましたが、「ラストサムライ」の時は、監督、カメラマン、美術監督と一緒にロケハン(撮影場所を決めるために、候補にあがった場所を見に行くこと)に参加し、実際に映画の内容についても自分の意見を言える立場となり、長年の夢だった「ハリウッド映画の製作の仕事」の頂点に達した仕事となりました。エキサイティングな毎日でしたが、多くのチャレンジもあり、大げさかもしれませんが、全身全霊を注いで仕事に取り組んだ毎日でした。

 「ラストサムライ」の一年数ヶ月に及ぶ長い仕事が終わり、ロサンゼルスに戻ってきた後、何をしていいかわからない自分がいました。もちろん、大きな仕事の後の疲れなどもありますが、何も手につかない毎日が続きました。ロケ先のニュージーランドから送られてきた荷物の箱は何ヶ月も玄関先に山積みのまま。友人と食事に行くと、オーダーするものがなかなか決まらない。ネイルショップに行くと、自分で色を決められず、ネイリストに選んでもらう。仕事中は終わったらバケーションを、と思っていたにもかかわらず、どこに行きたいかわからない。など、何も決められない自分がいました。

 自分の夢に向かってひたすら走り、その夢が叶った後、どうすればいいか? その答えは、次の夢、目標をたてる、ということです。自分を知って、理解していれば、次の夢、目標をたてることは容易ではないでしょうか?

 「ラストサムライ」の仕事中にある人から、「蔭山さんは仕事はできるけど、自分のことになると違うんだよね。」というコメントを受けました。撮影後の何も決められない私をみすかしていたような発言でした。

 私がその頃できなかった自分を知り、より理解するということを、この本を通してひとりでも多くの人にしてもらいたいです。大きい夢、小さい夢、多くの夢を思い描き、ひとつの夢を叶えたら、次の夢へのステップを踏み出しましょう。時間は永遠にあるようで、実際はそうではないのですから。。。

 

2014年6月16日月曜日

ALL ABOUT "ME" BOOK の最初の作業は自分の写真選び

 ALL ABOUT "ME" BOOKを始める皆さんにとっての最初の作業は、自分の写真を貼ることです。自分が持っている写真、スマホのなかの写真などから1枚、ここの空欄に「自分」らしさを表現する写真を選び、貼るという作業から始めます。

 フェイスブックなどの自分のプロフィール写真と同じようですが、ここでの写真は自分のためですから、人の目を気にせずに選別できます。簡単な作業のようで、案外難しいかもしれません。自分の写真を貼るなんて、気恥ずかしいと、この作業を飛ばして、次の質問に進んでいく人もいるかもしれません。でも、何枚も持っている写真から自分らしい写真を選ぶという過程は、このワークブックをしていく上での大切な第一歩です。
 
 「選ぶ」「決める」という行動は、生きていくうえで大切です。毎日の生活のなかのささいな選択から、人生の岐路に立たされた大決断。自分で選び、自分で決める。人生は、その繰り返しではないでしょうか?自分の人生の主人公のプロフィール写真は、本気で選んでほしいと思います。

2014年6月10日火曜日

初心に戻って。

 ブログを最後にアップしてから数ヶ月が過ぎてしまいました。今年の私の計画のひとつは、毎週、ブログをアップすることでした。
 このAll About "ME" Bookで、計画をたて、自分の夢を叶えましょうと、提言している本人がこの有様です。計画した行動を実行して、夢に辿り着くのがどれだけ大変かを、実感したこの数ヶ月です。やらなければいけないと思いつつ、他のことに忙しい、疲れるという自分に対する言い訳の毎日でした。
 昨日、知人から彼女のやりたいことの話を聞いている時に、今までの自分はどうしていたのだろう、という気持ちになりました。改めて自分のやりたいことを考え、プランを書き出しました。その結果、自分のやりたいことは、この本を一人でも多くの人に活用してもらい、夢や目標の達成のお手伝いになりたいということでした。ハリウッド映画の仕事をしたいというひとつの夢を叶えるために努力した日々のことを思い出し、また初心に戻って、頑張っていこうという決心をしたところです。結果がすぐに現われないという現実は誰にとっても辛く、くじけそうになりますね。私も同じです。気持ち、エネルギーのアップ&ダウンを乗り越えて夢の達成に向けて、一緒に頑張っていきましょう。
 これからもよろしくお願いします。

2014年2月5日水曜日

この本を作るきっかけとなった絵本のこと

 映画「ラストサムライ」の撮影でニュージーランドに6ヶ月滞在していました時のことです。休みの日に、オークランドの街で子供向けの本、絵本を多く扱っている小さい本屋に入りました。興味を惹いたのが "When I Grow Up I Want To Be Me" という絵本でした。
 
 その絵本は、主人公の女の子が、大人になったらXXになりたい、XXの職業につきたい、と色々な夢を思い描きます。限りない可能性を夢見る女の子を応援します。そして、最後のページには、タイトルの「大人になったら自分になりたい」と、自分をいつまでも好きでいることのメッセージで締めくくっています。

 子供の頃には、自分に自信がないなどと考える子供はいないですよね。皆、夢でいっぱいにふくらんだ風船のような気持ちが、大人になっていく過程で風船が少しずつしぼんでしまうような気持ちになる人が多々いると思います。外からの要因から自分の大きな風船を守り、子供の頃の夢で膨らんだ風船を大切にしてほしいです。「大人になったら自分になりたいーI Want To Be Me」、という大人になった今も通じるメッセージに感動しました。

 

2014年1月28日火曜日

ハリウッド式感謝の表し方


 ハリウッド映画の製作における色々なプレゼントをご紹介します。

 製作プロダクションから、スタッフ全員に映画のロゴ入りのグッズ(T−シャツ、野球帽、トレーナー、バックパック、ジャケットなど)をプレゼントします。この作品へ貢献してくれてありがとう、という意味を込めて。

 製作スタジオと総責任者のプロデューサー達主催のパーティーが催されます。撮影開始前には、これからの撮影を頑張ろう!パーティー、そして、撮影後には、お疲れさまパーティー。かたちを変えたスタッフへのねぎらいのプレゼントです。

 撮影初日。メインの役者には、契約書に基づいて与えられるそれぞれのトレーラー(大型の豪華なキャンピングカーのようなもの)に、製作サイドから、「これからの撮影をどうぞよろしく」という意味を込めて、ギフトバスケットが運ばれます。時には、映画のテーマに併せたクリエイティブなギフトバスケットは圧巻です。

 また、出演の俳優からスタッフへ感謝のプレゼントされることも多々あります。私が関わった映画において、アーノルド・シュワルツネッガー、ポール・ニューマン、ジム・キャリー、サミュエル・L・ジャクソン、レイ・ウインストンなどから、何百人もいるスタッフへお礼のプレゼントが届きました。私個人的には、ロビン・ライト(ショーン・ペンの元夫人)から、蘭の花をプレゼントされました。

 映画製作において、表舞台の俳優はもちろん欠かせませんが、裏方の我々がいてこそ、俳優のすばらし演技力を生かせます。お互いがそれを分かり合い、尊重し、感謝し、一緒にコラボレーションして作っていくのが映画です。これらのプレゼントは、その表れなのです。

 

 

 

2014年1月20日月曜日

ALL ABOUT "ME" BOOK 第一章 自分発見のページ 感情を理解することが夢への第一歩

 自分の感情を理解することは、自分を発見することに大きな意味を持ちます。何故なら、感情として現れる原因は、自分の意識、考え、信じていることだと考えられているからです。その感情が態度、行動に現れ、結果に繋がるという一連のパターンとなって現れます。

 例えば、自分は面接が苦手だと、いう「意識」を持っている人の場合。実際に面接の日程が決まると、大丈夫かと不安に思う「感情」が生まれます。その気持ちが「態度」として現れ、実際の面接の日には自信がない印象を面接官に与えてしまいます。その結果、よくない「結果」を生んでしまい、その結果だけをみて、増々面接が苦手な自分を決定づけてしまう傾向になってしまいます。

 私は相撲が好きです。今場所、横綱昇進がかかった大関稀勢の里がこのパターンに入ってしまっているように思えます。今場所こそ優勝するために、ひとつも負けられないプレッシャーがかかる稀勢の里に対して、何のプレッシャーもない相手の力士。力では稀勢の里がはるかに上です。対戦する前から稀勢の里の顔には緊張が現われます。負けられない、と思う「意識」から、その反面、負けてしまったら。。。という不安な「感情」が生まれます。その感情から、体が固くなり、思ったような自分の相撲が取れない「行動」に繋がり、結果は負けるはずのない相手に負けてしまい、横綱昇進から大きく後退する「結果」となってしまいました。

 自分の感情をコントロールできるのは自分だけです。万全の準備が整えられれば後は、自分で自分に言い聞かせるしかありません。少しでも不安、心配な気持ちになりそうな場合は、それを打ち消して、「大丈夫、自分ならできる!」と、言い換えられる自分になれるように。そうすることによって、夢への道は開かれるはずです。稀勢の里もその気持ちを持って横綱になってほしいと思っています。。

 

 

2014年1月6日月曜日

夢の力 - ドキュメンタリー監督の場合


 友人のドキュメンタリー映画監督の作品が、先月アメリカでオンエアされました。彼女がその撮影をしたのは4〜5年前。その友人に同行し、ある映画祭のオープニング祭典に出席したのは2年前です。フランス人の彼女がテーマに選んだアメリカンインディアンのドキュメンタリーをアメリカで放送されるのが、彼女の夢でした。

 映画祭に参加した時、自分たちの映画作りに情熱を注いでいる多くの人達の熱い想いに感動しました。ある監督は、自前の一着きりのスーツで、各地の映画祭を回っているのだと、話していました。家族を養うために普通の仕事を持ち、週末だけ何年もかけて撮影をし自分の作品を完成させた監督もいました。それから信じた題材を映像化するために何年もの月日をかけ、作品への情熱を持ち続けた一人でした。

 多額の予算があり、細分化された職種のもとに多くのスタッフで製作するハリウッド映画とは違い、インディペンデント映画やドキュメンタリー映画は、多くの場合予算が限られています。そのため、監督、カメラマン、プロデューサーも含めて、少ないスタッフが知恵を出し、互いに協力して、皆で映画を作りあげます。私もインディペンデント映画の製作に関わったことがあります。撮影自体は大変でしたが、終了した時の達成感は格別のものでした。

 映画祭での監督達の誇りと充実に満ちた顔を見ていると、自分の夢をみつけることができれば、人は力と勇気を持って貫くことできるのだと改めて感じました。それは、映画や仕事にかかわらず、どんなかたちの夢についてもいえることだと思います。

 今年こそ、皆さんが夢を見つけ、夢への第一歩を歩み出すために、ALL ABOUT "ME" BOOK が活躍してほしいと願っています。