2013年10月10日木曜日

ハリウッド映画の仕事をやっていてよかったと思う瞬間。

 日本人スポーツ選手が優秀な成績を残した後のインタビューで「楽しみました。」と言う選手が随分多くなったなと、最近日本のニュースなどをみていて思います。

 もちろん、毎日の厳しいトレーニングをこなして、頂上に立った人達だからこそ口にできる言葉ではありますが、本当に好きでないと毎日の厳しいトレーニングを続けていくことは無理ではないでしょうか?
 
 ある元プロ野球選手の話です。子供の頃からプロ野球選手になりたいと夢をみて、何度もの試練と挫折の連続の後にやっとプロ野球選手として遅咲きの花を咲かせました。しかし、その夢も二年で終わってしまい、その後、野球関係の仕事はおろか、仕事に就くことがどれだけ難しいかを味わっている毎日。現状を指摘した聞き手が、後悔していますか?と聞くと、元プロ野球選手は「後悔なんかしていません。好きなことをやっていましたから。」と、きっぱりと答えました。

 好きなこと=仕事、はベストですが、そうでない場合でも、その仕事に自分の好きな要素が入っていれば、「楽しい」と思えるのではないでしょうか?

 子供の頃からハリウッド映画が大好きでした。物事を計画したり、まとめていくことも好きで得意でした。映画に関して、自分ができることは何だろう?と、考えていくなかで、映画製作の仕事があると分かりました。これなら、できる!と、思い飛び込んだ映画の世界です。

 映画製作は、準備が万端であれば、撮影日はよほどのことがない限りスムーズに進行します。その代わり、準備の日々は連日、長時間労働です。(ハリウッド映画はユニオンの規制があるため、徹夜はあり得ませんが、12−14時間労働は普通にあります。)私はそれが苦に思ったことはありません。逆に、多くのチャレンジをこなしていく毎日が「楽しい」と思います。しかし、撮影日に近づくに従って、緊張感の度合いが高まり、毎日の疲れも溜まっていきます。そして、撮影初日。いままでの嵐が過ぎ去った後の静けさがやってきます。やっと始まった撮影に安堵の気持ちで、俳優達が演じる撮影現場をみていて「この仕事をやっていてよかった。」と、思う瞬間です。