私がロサンゼルスでCMプロデューサーをしていた頃によくアシスタントとして仕事をしてくれていたデイビッド。彼の夢は、自分のアイデアが映画になることでした。彼の日課は図書館へ行き、何か面白そうなネタがないかを探すこと。膨大な資料を検索して、面白そうなネタがあれば、それをまとめてハリウッドの映画会社やプロデューサーに売り込みに行く、映画「ザ·プレーヤー」のティム·ロビンソンみたいでした。
アイデアを出しては断られ、また別のアイデアを売り込みに行っていたデイビッド。彼がやっていることは、いつ認められるかどうかわからない、限りなく孤独な作業。生活のためにアシスタントの仕事をしていましたが、アシスタントでは給料もままならず、仲間うちで Shoe box (くつ箱)と呼ぶくらい狭いアパート暮らしをしていました。
月日が過ぎ、彼からの音沙汰がなくなり、ロサンゼルスから立ち去ったのかと思っていたところ、そのデイビッドが売り込んだアイデアが映画化されたのでした。
今年のアカデミー賞の優秀作品賞に選ばれた、ベン·アフレック監督、主演の「Argo -アルゴ」がその映画です。
何度もアイデアを出しても拒絶されていたデイビットに、「大変でしょう?」と、以前聞いてみたら、「宝探しみたいでとても楽しいんだ。」という答えが戻ってきました。デイビットの上目づかいの恥ずかしそうな笑顔が思い出されます。
月日が過ぎ、彼からの音沙汰がなくなり、ロサンゼルスから立ち去ったのかと思っていたところ、そのデイビッドが売り込んだアイデアが映画化されたのでした。
今年のアカデミー賞の優秀作品賞に選ばれた、ベン·アフレック監督、主演の「Argo -アルゴ」がその映画です。
何度もアイデアを出しても拒絶されていたデイビットに、「大変でしょう?」と、以前聞いてみたら、「宝探しみたいでとても楽しいんだ。」という答えが戻ってきました。デイビットの上目づかいの恥ずかしそうな笑顔が思い出されます。