2013年8月18日日曜日

何百人のスタッフのなかから、次の仕事に選ばれるには?

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演映画「ジングルオールウエイ」で、初めてハリウッド映画の仕事に関わった時、すでにプロダクション経験のある私とは違い、初めて映画製作の仕事を得たガブリエラは、スタッフのランチを配ったり、書類のコピーしたり、オフィスで必要とされることは何でもするオフィスのアシスタントでした。頭脳明晰で、性格もよく、優秀な彼女は、キャリアの梯子を駆け上がり、4年後には製作オフィスの要となるコーディネーターのポジションとなりました。

 ある日、ガブリエラから、自分が関わっている映画の撮影準備中で多い仕事量をこなす為に、一週間手伝ってほしいという連絡がありました。、条件などは聞かずに、翌日から彼女のオフィスで、俳優やメインのスタッフを契約内容と撮影スケジュールに合わせて、ロケ地への移動をアレンジする仕事を始めました。一週間という話が、一ヶ月、二ヶ月に延び、撮影ロケ地のシカゴに行くことになり、それからその半年後の撮影終了まで仕事をする結果となりました。トム・ハンクス、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグ、ポール・ニューマン出演の映画「ロードツー・パーディション」に関わったいきさつです。

 機会というものは、どんな型で訪れてくるかわかりません。そして、与えられた機会や仕事を誠実にすることによって、その後どのような形に変わっていくかわかりません。

 その後、ガブリエラがロバートゼメキス監督の映画「ベオウフル/呪われし勇者」の仕事を得た時に、彼女からのプロデューサーへの推薦で、私はこの作品に関わることになりました。それから数年後、ゼメキス監督とプロデューサー達がディズニーと共同出資で3D映画製作会社を立ち上げました。プロデューサーがスタッフを集める時に、「ベオウフル/呪われし勇者」に関わったスタッフのなかで声をかけられる一人となりました。

 ハリウッド映画の製作では一つの作品に、何百人、何千人ものスタッフが雇われます。そのなかで次の仕事につながっていくには、どうすればいいのか?当たり前なことですが、自分のベストを尽くして仕事をすることです。手を抜く人。携帯ばかりを気にしている人。やる気のない人。誰もみていないと思っていても、みている人達はみています。これは、ハリウッド映画業界だけではないと思います。与えられた機会、仕事に対して、誠実に自分のベストを尽くすことによって、次のチャンスに繋がっていくと思います。