2011年4月5日火曜日

ハリウッド映画初めての仕事

アーノルド・シュワルツネガー主演の映画"Jingle All The Way"(日本語タイトル:「ジングル・オール・ザ・ウエイ」)がいわゆる"ハリウッド映画”としての初めての仕事でした。仕事場は、二十世紀フォックスのスタジオの内、撮影所がでてくるハリウッド映画でみたことのある”バンガロー”と言われる白い建物がオフィス。そこまで歩いていく途中に、衣装を着た役者の人達、大道具、小道具を乗せたトラックなどとすれ違い、まさに、撮影所のエキサイティングな雰囲気がひしひしと伝わって、オフィスに向かう私の気持ちを高揚させました。

この仕事を手に入れられたのは、その前にアメリカTVの三大ネットワークのNBCのミニシリーズの"Gai-Jin"という作品に関わったのがきっかけでした。山口県の徳山、その後は、オーストラリアで撮影を試みた日本の幕末を扱った日米豪合作のテレビドラマでした。しかし、阪神大震災にあい、アメリカ側の製作指揮を取っていたプロダクションマネージャーは、短期間で三人代わり、撮影2日のみで、製作中止となりました。私にとって、初めての日米合作の仕事を完了できず、また、これをきっかけに、アメリカの映画、TVの仕事ができたら、と膨らませていた夢も破られ、すっきりしない気持ちでロサンゼルスに戻り、以前からの日本のコマーシャルの仕事に戻りました。

三人目の"Gai-Jin"のプロダクションマネージャーから、電話を受けたのは、日本のコマーシャル撮影の準備をしている時でした。仕事の内容は、俳優、スタッフのロケ地への移動のコーディネーション。日本のコマーシャルの仕事では、私はプロデューサーとして仕事をしていましたので、ステップダウンのオファー、そして、ギャラに関しても、大幅な減収でした。その上、その時、日本のコマーシャルの仕事をしていた会社は、私が以前から仕事をしたいと思っていた会社で、やっと、仕事を受けることができた初めての仕事でした。

しかし、私は何の躊躇もなく、このオファーを受諾、これが私の人生の大きな分かれ目になりました。この"Jingle All The Way"の仕事をきっかけに、今現在までハリウッド映画の仕事を続けられ、その反面、この日本のコマーシャルの会社からは、二度と仕事の依頼を受けることはありませんでした。

「自分は何をしたいか」が分かれば、チャンスが来た時に自分にベストの判断ができると思います。「何がしたいか」が、わからない場合は、まず、自分がどんな人間で、何が好きかを考える事です。映画の仕事、特にハリウッド映画の仕事は細分化されています。撮影をしたいか、衣装、メイクに興味があるのか、特殊効果の仕事をやってみたいのか、それとも縁の下の力持ちのプロダクションの仕事をしたいのか。。。自分が好きな事、適正にあっている仕事をしている限り、いくら辛くてもやっていけると思います。